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6 花火大会

 こんなこともあった。

 

 少し離れた街で毎年大きな花火大会が行われていて、ある年バイクでそれを観に行った。

 

 会場までは国道の一本道。

 大きな通りをまっすぐバイクで走る。

 途中でH駅が見えてくる。

 H駅を横目に見て通り越す。

 そのまま大通りをまっすぐバイクで走る。

 国道の一本道。

 途中でH駅が見えてくる。

 H駅を横目に見て通り越す。

 そのまま大通りをまっすぐバイクで走る。

 国道の一本道。

 途中でH駅が見えてくる。

 H駅を横目に見て

 

 何度H駅を通り越すんだろう。

 

 一向にH駅から先に進めない。これでは花火大会が観れない。

 困ったTさんは、仕方がないのでそこにバイクを停めて、H駅から電車で会場に向かった。

 

 

「僕は、幽霊だとかは別に信じてないけどね。

 時間や空間なんてのは、人間が勝手に一定なもんだろうと思ってるだけで、本当のところはそうじゃないし、まだまだよく分かってないわけでしょ。

 何が起こってもおかしくないと思うね。」

 とTさんは言う。

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