ホーム
怪談記
行脚記
続きを読む
Yさんはデイサービスで働いている。
ある日、デイサービスを利用しているお爺さんが、椅子に座るなり。
「水をくれぇ。」
と言う。
Yさんがコップに水を入れて持っていくと、お爺さんは受け取ったコップをしみじみ眺め
「これが、最後の水になるな。」
そうぽつりと呟き、ぐびぐび水を飲んで
「ぷはぁ~、美味い。」
と言った。
Yさんは近くに居た同僚と、まだまだお元気なのに何を言ってるのかしらと笑いあった。
翌日の朝、そのお爺さんが亡くなったのと連絡が入った。