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24 花火

 Kさんの家の近くに大きな駐車場がある。

 空いている区画も結構あるので、そのスペースをご近所の方々と一緒にバーベキュー等で使っていた。

 

 ある年の夏。そこで皆と花火をした。

 子供たちは喜んではしゃぎ回る。Kさんも子供たちの面倒を見ながら花火を楽しんだ。

 その内、少し離れたところに停めてある車の向こうから、光が漏れているのに気付いた。車のライトのような直線的な灯りではなく、何かがボヤーっと光っている。

「なぁ、あそこ何か光ってない?」

「え?どこ?」

 車の後ろだと説明しても、皆光などないという。Kさんにしか見えていないようだ。

 目の錯覚か何かだろうと思い、そのまま花火を続けた。

 しかし、気になるので子供たちと遊びながらチラチラと光る車を見ていた。

 その内、車の後ろから女の子が顔を覗かせた。

 小学生くらいの女の子が、こちらで遊ぶ子供たちの方をジッと見ている。

 なんだか、女の子が光の中にいるようにも、その子がぼんやり光っているようにも見えた。

 どこの子だろう。見たことない子だな。一緒に遊びたいならこっちに来ればいいのに。Kさんはそう思ったが、声をかける間もなく花火がなくなってしまった。

 

 帰り道にもう一度皆に聞いてみたが、やはり誰も光を見ていなかった。

 しかし、光の中に女の子がいた事を話すと

「それ、うちの子かも知れない。」

 と言うご近所さんがいた。

 その家には水子がいて、今日は供養のためにお母さんが家でお経を読んでいるという事だった。

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