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19 姉のマンション
Gさんには二人の姉がいる。
上の姉が子供を産んでしばらくたってから、下の姉と一緒に遊びに行った。
マンションの一階で、二人ともそこを訪れるのは初めてだった。
呼び鈴を鳴らし中に入る。廊下の左右にいくつかドアがあり、奥のリビングで甥っ子が遊んでいた。
Gさんはそのままリビングに進んだが、下の姉は途中で足を止め、左手にあるドアを見ながらこう言った。
「ねぇ、お姉ちゃん。この部屋は何の部屋?ここ居るよ。」
下の姉は昔から妙なものがみえる。
(うわ、ここ幽霊居るのかよ。こわ。
それに、いくら姉ちゃんの家だからって、いきなりそんな事言わなくても良いだろう。)
Gさんはそう思ったが、上の姉は
「あぁ、やっぱり。その部屋ずっと気になってたのよねぇ。」
と平然と返した。
一体どういう事なのか聞いてみると、引っ越してきた当初から誰もいない部屋の中で気配がするというのだ。
「子供部屋なんだけど、やっぱり居たんだ。」
「中見ても良い?」
「良いわよ。何かみえる?」
「うん、小さい男の子がいるよ。」
「そっか。そうだったんだぁ。」
平然と会話する姉達を見て、Gさんはなんだか訳が分からなくなってきた。なんで二人とも平気なんだ?
怖くないのかと上の姉に聞いてみたが
「別に気配がするだけで何かあるわけじゃないし。」
という答えだった。
しかし、今はその『気配』が『この世のものではない男の子』だとわかった訳で、普通は怖いだろうと思う。このままにしておくのは問題があるのではないか。
お祓いでもしてもらった方が良いのではないか。そこまでしなくとも御札を貼ったり、盛り塩をしたり、何か対策をするべきじゃないか。Gさんはそう姉に提案したが
「もう!子育てが大変でそんな事にかまってられないわよ!」
と、却下された。
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