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16 寝ぼけ
Oさんはあるスポーツチームを熱心に応援している。
ある時、友人と二人で、そのチームの練習を泊りがけで観に行った。
初日の応援を終えてホテルへ向かう。ホテルの部屋は、友人と一緒にツインルームを予約しておいた。
二日目の朝、布団の中から枕もとの時計を見ると七時だった。
Oさんは、低血圧で朝が弱い。
(七時かぁ。あぁ、今日も練習観に行くから、もう起きないと。はぁ、シャワー浴びて、ちゃんと目を覚まさなきゃ。)
そう思い、上半身を起こした。
すると、自分のベッドの足元に何かがいるのが見えた。
眠い目をこすりよく見てみると、白いワンピースを着た髪の長い知らない女が立っていた。
しかし、Oさんはかなりの低血圧で、非常に朝が弱かった。
(はぁ、私、寝ぼけて変なのみてるなぁ。やっぱりシャワー浴びてちゃんと起きなきゃ。)
そのまま、女の事は無視してバスルームに向かった。
シャワーを浴びて、段々と頭がはっきりしてくる。
(あれぇ…さっきの女って、もしかして…いや、そんなわけは…
でも、あれってどう見ても幽…いやいや、そんなわけない!寝ぼけてただけよ。多分…)
気のせいだとは思いたいが、怖さは拭えない。頭ははっきりしたが、気持ちはすっきりしないままバスルームを出た。
ベッドルームへ戻ると、隣のベッドの友人も起きていた。
彼女は、何だか怯えた表情で
「あのさ、ちょっと、怖い事言っていい?」
と前置きしてから話し出した。
「さっき、Oちゃんシャワー浴びに行ったでしょ。その時、私も目が覚めたんだけど、見ちゃったの。
そこの足元の所に幽霊が立ってたの。白いワンピースで髪の長い女の幽霊。私怖くてすぐ布団被って見ないようにしたんだけど。
あなた、何も見なかった?」
見えていたが、寝ぼけていた。
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